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好きな音楽を好きなように御紹介
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どれほどこの日を心待ちにしただろうか。

生まれて初めて参加したバンドは、彼らのコピーバンド。
当時高校生だったあたしは、借り物のキーボードを自転車のカゴに載せ、練習のため家から20分ほどのスタジオに通っていた。
彼らの曲のスコアは、使い込んでボロボロになっていたし、通学途中にウォークマンで聴きまくっていたカセットテープは、擦り切れるのではないかというほどだった。
高校時代にバイトで稼いだお小遣いをはたいて行った彼らのライヴは、大きなホールの前から10列目。
涙が出そうなほど感動した。
そしてその直後、彼らの解散を知ることに。
もう二度と彼らのオンタイムのサウンドに会えない・・・
あの日、前から10列目で見たあのライヴが、最初で最後になる・・・
そう思ったら涙が溢れた。

あれからしばらくの時を経て、ここ数年、思いがけずバンド再結成ブームが訪れる。
60~70年代の洋楽ロックバンドや、80~90年代の邦楽ロックバンド・・・様々なアーティストが再結成する中、彼らもその波に乗った。

2009年元旦、突然の再結成発表。
歓喜に湧き上がるファン。
あたしも例に漏れず歓喜した。
再結成発表後から2ヶ月間、まるでジャックするかのようにあらゆるTV番組・ラジオ番組・雑誌に出まくり、3月からは新譜の『シャンブル』を引っさげて、全国ツアーに突入する。

そして待ちに待った名古屋公演。
仕事を終えて会場に到着したのは、開場30分後。そこは既に、16年ぶりの彼らとの再会を心待ちにするファンの溢れんばかりの熱気で満ちていた。
高まる気持ちを抑えながら、開演までの時間をワクワクソワソワしながら過ごす。
予定時間を少し押して、いよいよ開演。

ステージに掛けられた幕の向こうから、阿部のオルガンが鳴り響く。沸き立つ観客。
しばらく幕でメンバーの姿が見えないまま曲は進行していく。
そして、曲の2番に入るところで一気に幕が外され、ステージと客席の境がなくなり、観客のボルテージは益々上がった。もちろんあたしも。
涙が出そうだった。
高校時代の彼らにまつわるありとあらゆる思い出が噴き出し、感極まり、後はもう彼らのペースに飲まれる気持ち良さに、ただひたすら身をゆだねていた。

16年という年月は、彼らもファンも平等に歳を取らせた。
確かに彼らは世間でいうところの『オッサン』である。
しかし彼らのサウンドは、歳を取ったことによる円熟味というエッセンスを加えながらも、当時と変わらぬオモチャ箱をひっくり返したようなやんちゃぶりも満載。
しかし、「オモチャ箱をひっくり返したような」といっても、考え無しのハチャメチャなステージングではない。
舞台装置の動作タイミング、ステージモニターの画像・文字のタイミング、照明・・・細部にまで作り込まれている様子が見て取れた。
最高の演奏と演出で最高の遊びをする、それがオモチャ箱たる所以。
メンバー全員が、ファンと一緒に遊んでいる感覚なのだろう。その空気が客席に巨大な波のように覆いかぶさり、ファンはその波に溺れる喜びを味わっていた。

ツアー後の彼らの動向は、まだ明かされていない。
多くの再結成に見られる「期間限定」ではないそうなので、気まぐれに現れて気まぐれに去っていくという繰り返しなのかも知れない。
しかし、それでもいい。また彼らと歳を重ねていけるのなら。

やんちゃな彼らと、また会いたい。

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まるでそこは閉店後のライヴハウス。

ライヴライヴした気負った感じは微塵も感じない。
決して広いとは言えないライヴレストランの小さなステージで、彼らのライヴは繰り広げられた。

"Spiral Tree"
田村直美(Vo)とichiro(Gt)の2人によるアコースティックユニット。
そこに、ichiroのバンド、Rockamencoのベーシストである羽田北斗を招き、3人編成でライヴは行なわれた。

セットリストは、田村直美とichiroの好きな曲のカヴァーやそれぞれのオリジナル。
好きな曲を好きなように演る、というコンセプトだったようだ。
事前情報として、どこにも明確なコンセプト表示がなく、"Spiral Tree"としてのオリジナル曲を引っさげてのツアーなのだろうと勝手に思い込んでいたため、カヴァーで進んでいく序盤の構成に若干の戸惑いを感じたあたし。
けれど、その戸惑いはすぐに吹き飛ぶこととなった。

田村直美の歌を生で聴いたのは今回が初めて。
何とも抜けの良い声で、ソウルフルな面もありながら実にチャーミングな声。
さらには綺麗な艶もある。
たくさんの声色を使い分けているわけではないのだけれど、玉虫色のような場面場面で変化を見せる声色で、琴線をくすぐる。
そしてMC運びも上手い。
普段の会話っぽさから外れない、いい意味で気の抜けたゆるいやり取りをハンドリング。
常に笑いが絶えないMCタイムが、閉店後のライヴハウス感を強めたのだろう。

そしてichiro。大好きなギタリスト。
これまで何度も彼のライヴを観てきて、体全体で表現する表情豊かなギターの弾き姿・音に魅了され続けているのだけれど、今回はアコースティック。
アコースティックなichiroを観るのは初めてで、一体どんなことになるのだろうかと思いを巡らせていた。
しかしやはりichiroはどんな形態であれ、ichiroだった。
RockamencoやThe sonsの中に見られる、ジャム感と作り込んだ匠っぽさが混ざり合った感じとは違い、ジャム感の方が強く出ていたのだけれど、やはりichiroなのだ。
ファンとしては嬉しい限りである。

ゲストミュージシャンである、ベーシスト・羽田北斗の弾きっぷりも相変わらず。
フュージョンとロックを足して2で割ったような雰囲気。
飄々と弾く姿はRockamencoでのプレイスタイルと変わらない。
Spiral Treeのツアー前半戦をサポートした羽田北斗。
後半戦は、同じくRockamencoのフラメンコギタリスト・Danがサポートとして入れ替わるそうだ。

終始閉店後のライヴハウスのような雰囲気のまま展開していったライヴ。
ゆるく、しっとり、キラキラと、様々な形容詞をまとって時間は経過していったのであった。

クリスマスの夜のROCKAMENCO CARNAVAL。
まさにお祭り騒ぎ。
観客は踊り、歌い、熱い熱いライヴとなった。

ロックとフラメンコの融合をテーマに活動しているバンド、ROCKAMENCO。
ROCKAMENCOの熱く弾けるグルーヴが大好き。
そんな大好きなバンドのライヴがクリスマスに観れるなんて、なんて幸せなんだろう。

スタンディングで、真ん中付近の前から3列目をキープ。
メンバーの汗が流れる様子まで見える位置。
バンド全体の音も楽しみつつ、個々のプレイも味わいながら観るのが好きなあたし。もちろん今回とて例外ではない。
せっかくそんな絶好のポジションをキープしたのだから、隅から隅まで味わわないわけはない。

のっけからカンタ(ヴォーカル)であるKSKのハスキーでパワフルな声が響き渡る。
KSKの声は不思議だ。
ライヴ中盤~後半になれば、大抵の歌い手は声に疲れが見えてくるけれど、彼の声は益々迫力と色気を増してくる。パワフルな曲も、繊細なバラードも、いつ聴いても感動させられる。
最後まで、決して客を飽きさせることはない。

Gt.(エレキ) ichiroは相変わらずの職人ぶり。シャープな音からふくよかな音まで自在に操る。
演奏中にギターのボリュームのつまみを微調整したり、間奏のわずかな合間を縫ってチューニングをしたり、ベストな音を紡ぎ出す作業を怠らない。
音の抜け・ハリ・伸び・音の強弱、どれもこれも本当に素晴らしくて、たまらない。
ichiroのギターから鳴る伸びの良い中音域のメロディーを聴くと、涙が出そうになる。
ギターとの戯れ感もたっぷりで、体全体で音を奏でるその姿はまるでギターで会話をしているかのよう。

Gt.(フラメンコ) Dan。フラメンコギターは独特な指さばきだが、Danの指さばきは実に華麗。
そして、そこから紡ぎ出される音は間違いなくギターの音色なのだけれど、弦を弾く強弱で、時にピアノのように繊細な使い分けがされていて、あれっ?と耳を疑う瞬間もあったりするから不思議だ。
弾む音の粒が、水滴が弾ける様子を思わせ、何とも軽やかで気持ちが良い。
ichiroとのギターソロの掛け合いは、観ている側の心が躍る。

Gt.(フラメンコ) Daisukeのフラメンコギターは、Danとは対照的。
フラメンコギターの弾ける感じはもちろんあるけれど、どこかブルースギターを思わせる雰囲気を醸し出している。ムードのある鳴らし方。
独特の存在感が何とも言えない良い雰囲気。
飄々と顔色を変えずに座って弾くスタイルで、フラメンコのフレーズを鳴らす。

Ba. Hokutoはブンブン前に出てくるのに出過ぎない。
ソウルっぽさを感じる音で、メリハリを効かせたベースラインが印象的。
途中、名古屋限定の、Dr.2人とのリズムセッションでは、そんなHokutoのベースラインの魅力を存分に味わえた。

Dr.(パーカッションセット) SudaPony。叩く姿はまるでジャグリングをしているかのよう。
ドラムを叩いているというよりは、ドラムというおもちゃで戯れているという感じ。派手なパフォーマンスが目立ちがちだけれど、音の粒や強弱も繊細に表現されていて、表現力豊かでとても素晴らしい。

Dr.(ロックセット) Taro。ROCKAMENCOの屋台骨。
SudaPonyのパーカッションドラムとはセットも違うため、当然鳴る音もまるで違う。
低めに構えたドラムセットで聴かせるパワードラマーで、安定感抜群かつ、SudaPonyとのジャム感も振りまきながら観客を楽しませるロックドラマー。

先に少し書いたけれど、ライヴ中には Ba.Hokuto・Dr.SudaPony・Dr.Taro のリズムセッションもあった。
Dr.の2人が愛知出身ということで、名古屋のライヴではリズムセッションコーナーがある。
Hokutoのブンブンうなるベースソロ→SudaPonyの戯れ感たっぷりのドラムソロ→Taroのロック魂全開のドラムソロ、と順番にソロを回して観客をあおって喜ばせた。

そして、クリスマス当日のライヴということで、クリスマスプレゼント代わりのクリスマスソングメドレーもセットリストに盛り込まれていて、観客と一緒に歌いながら楽しんだりという一幕も。
フラメンコ的かつブルース的な、素敵なアレンジのクリスマスソングだった。

新曲も2曲披露されたり、アンコールが2回あったり、本当に盛りだくさんのライヴで大満足。

何より素晴らしいのは、メンバー誰もが、「このメンバーで演奏出来ることが幸せ」という表情をして演奏しているように見えたこと。
そんな彼らの表情を見てこちらもパワーをもらえた。

何から何まで本当に大満足。
素敵なクリスマスプレゼントとなった。

asstellus.jpg









何と形容するのがいちばんしっくりくるのだろう。

彼らの描く世界観は、決して後ろ向きなわけではない。
かといって、眩し過ぎるほど前向きな世界観でもない。

『切ない』
すごく切ないというわけではない。
『やや切ない』
そうだ。きっとそれだ。
その『やや切ない』世界観によって、あたしの脳をやさしく刺激する。

名古屋を拠点に精力的に活動中の、インディーズ3ピースのポップなロックバンド、『明日、照らす』。
ポップなロックであるにも関わらず、『やや切ない』世界観によって、エモーショナルな雰囲気も醸し出している。

甘いトーンでありながら天井を突く強さを持ち、大人っぽさも併せ持った、ありそうでないVo.&Gt.村上友哉の声が歌い上げる。
彼のギターは、3ピースという音数の少なさをフォローする音選びがされているのだろう。ギターだけが際立つわけではないのにギターの音もきちんと感じさせる。やや歪み~歪みを使い分け、音の厚みを生み出している。

Ba.伴 佳典のベースは、うねるようなド派手なプレイではないものの、それこそ3ピースという音数の少なさをカバーするバッキングに重点を置いたプレイ。
それでいて、上から下へ動き回る曲でも、ボトムを薄くするようなことはない。

そしてDr.酒井俊輔、彼のドラムは実にポップである。
高めの音で鳴らすスネア、歯切れの良いドラムさばき。しかしながら、叩いた後の残響音はポップな陰にアンニュイな雰囲気も垣間見える。
切なさを誘う楽曲のコード進行もさることながら、彼のドラミングが、バンド全体の『やや切ない』世界観を生み出す核となっていることは間違いない。

12/3に発売されたばかりの1st.ミニアルバム『素晴らしい日々』は、そんな彼らの世界観が存分に味わえるラブソングがぎゅっと詰め込まれた、渾身の力作である。

tamio3.jpg









上手い。
本当に上手い。
ヴォーカリストとしても、ギタリストとしても、本当に上手い。
『奥田民生』という人はそういうアーティストだと、改めて感じた今日のライヴ。
バッキング専門でリードギターは別に立てるギターヴォーカルというのはプロにも多い。
そんな中、奥田民生という人は、ギタリストとして他のバンドをサポート出来るくらいの腕前。
生み出すギターのフレーズは、60~70年代洋楽ロックを匂わせる、スタンダードでありながら民生テイストもしっかり盛り込まれたモノばかり。
耳なじみもとても良い。
ガツガツせず、でもかっこいい。中音域の抜けの良さは抜群。
ギターソロなどは、大抵のアーティストがガッツリかっこよく見せるために大きなパフォーマンスで前に出て来たりするわけだけれど、民生の場合、
「ちょっといいもの見せたろか?」
と、近所のおにいちゃんが自慢のコレクションを軽く見せびらかしに来たような雰囲気で前に出てきて、さらっとかっこいいソロを聴かせ、さらっと定位置に帰っていくのである。
本人にしたらかなりハイテンションなのかもしれないけれど、傍目にはとにかくさり気ない。
スタジオで練習もしくは気ままなセッションをしているかのよう。
さらには、ギターのガリやアンプの不調までも、神経質にスタッフを走らせることなくサラッと回避してサラッとやり過ごしてしまう柔軟さは、ある意味脱帽。

そんな柔軟さは、MCにも及ぶ。
バックバンドメンバーとの雑談的な会話が、客席も含め、気の合う仲間との好きな場所での会話を思わせる緩い雰囲気。
MC中にほんのちょっと間が空けば、観客はその動向に注目し、あまりにも日常的な何気ない緊張感のない様子に、思わずクスクスっと笑いを漏らしてしまう。

では、やる気なくダラダラとしたステージングなのかというと、そうではない。
そんな緩い雰囲気をステージ全体に振りまいているにも関わらず、ギターの音色・照明等、細部にまでこだわっているなぁ、と感じるのだ。
照明は、アメリカのアニメを見ているよう。
声に至っては、スライドギターならぬスライドヴォーカルとあたしは形容しているのだけれど、低音~高音まで、自在にスライドギターのように動く。
曲によってエフェクトをかけたような声色の微妙な使い分けも、バンドのギタリストとしてのプレイを真っ当しながらする。
本当に器用なアーティストである。

そして、彼のバックバンドメンバーも素晴らしい。
Dr.の湊 雅史は、パワードラマーだけれど曲の抑揚を引き立てるような細かいドラムさばきも多様する。
あたしが、ドラムはメロディー楽器だと思うようになったきっかけのドラマーで、歌うようなドラミングが魅力。
湊雅史ファンでもあるあたし。斜め45度から入って、すくって払うようなシンバルさばきが好きだ。
Ba.の小原 礼は、サディスティックミカバンドのベーシスト。
スタンダードではあるものの、そのスタンダード具合が民生サウンドの遊び感を引き立て、ボトムを堅くなりすぎずにしっかり支えている。
ライヴ中、1曲だけアコーディオンも披露。
ライヴ中に鍵盤を弾くベーシストを見たのは、ポール・マッカートニー以来である。
Key.の斉藤有太は、民生サウンドにこの人あり、というくらいのキーボーディスト。
歌番組・ライヴ問わず、民生のバックでは必ず彼が弾くというくらい、民生のお気に入りのキーボーディストである。
爽快な民生サウンド~アンニュイな民生サウンドまで、幅広く民生風味を損なうことなく表現し尽くす凄腕。

そんな彼らが奏でる音楽は時を忘れさせ、気がつけば2時間15分が経過。
1時間も経っていないのではないかというくらいあっという間の楽しくも緩いライヴで、爽快な気持ちで会場を後にしたのだった。



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